kyotomedtrackandfield’s diary

ー京都大学医学部陸上部の公式ブログー

インド海外研修を振り返って

お疲れ様です。4回生の村松です。

 

先週金曜日にCBTがありました。受かっていてほしいです。

さっきマイコースの活動報告書も提出したので、4回生も実質終了、みたいな、達観したような気持ちになっています。気持ちだけね。

 

さて、マイコースのインド海外研修について、振り返ろうかなと思います。教務にも活動報告書やら海外研修レポートやら、色々書かされたのですが、部活でも結構質問してくれたので、そこをふまえて書こうと思います。

 

「どうしてインドに?」

渡航した理由ですが、レポートには以下のように書きました。

「薬剤疫学教室に3年間在籍させていただいているなかで、私は小児感染症内科の公衆衛生医師をキャリアとして考えるようになった。公衆衛生医師としてのキャリアに必要なものとして、医師としての専門性を高めていくことに加えて、発展途上国での経験が不可欠との助言をいただき、インドでの研修を決めた。研修先は、知り合いの先輩が訪問経験のあるCMCを選んだ。なぜ今、途上国での実習を行うのか。私は国内で専門性を獲得するキャリアを検討しており、初期研修から専門医を取るまでの期間に途上国へ渡航するのは容易でない。早期に国際的な課題意識を持つため、このタイミングで渡航することを決定した。」

でも本当のところ、なんでインドなのか、本当に海外渡航が必要なのか、と詰められれば、返答に困ってしまうくらいには、曖昧な気持ちで計画していました。そもそもインド渡航を最初に計画し始めた段階では、マイコース期間の海外渡航が許可されるかどうか、五分五分といったところだったので、まあダメ元でいいやくらいの気持ちじゃないと準備の費用効果が悪かったというのもあります。

インドのChristian Medical College という大学病院を渡航先として選んだわけですが、そこにアポを取った経緯について、僕はMSB(Medical student without borders)という国際交流系サークルで部長をやっているのですが、その設立者でいま卒後1年目の新野先輩が、1週間ほど渡航していたようで、その時のコネで繋えば行けるのでは?ということで挑戦しました。詳しい経緯は聞いてもらえれば2時間くらいは話す内容があるのですが、こんな風に、とにかく行けるかどうかにウェイトがありました。

あえてインドに行った理由を挙げるとすれば、アメリカには高校交換留学生(AFS)として行ったことがあったので、全然違うところに行ってみたかったというのがあります。その点の感想としては、いかに日本が欧米の影響を強く受けているかを感じました。次また、フィールドワークのために海外渡航するのであれば、アフリカかブータンあたりなのかな、とか考えています。

 

「なんか大変なこととかあった?」

ありました。わいせつ行為の被害に遭ったことを鍵垢でツイートしてたので、同回はそれを見てくれた人も多かったですが、正直被害の割にネタになったので傷は完治しています。

また、それ以外にも大変なことや、うんざりすることは多かったです。滞在していたVelloreという町はかなり田舎で、かつChristian Medical Collegeを中心に栄えた町なので、幸い観光客を狙い撃ちにした詐欺は少なかったですが、街なら使えるUberなどの配車アプリが使えなかったので、オート(オートリキシャ、トゥクトゥク)とよばれる三輪バイクではほとんど毎回相場の倍くらい取られました。空港のあるChennaiや、観光で訪れたBangalore, Pondicherryなどでは、3倍くらい吹っかけられたり、50回断ってもお土産屋に連れて行かれたりもしました。結構ガン飛ばして警戒していたので、これでも被害としては全然マシな部類だったと思います。インドの治安の悪さについて興味がある人は↓のyoutubeチャンネルを見てみると少し雰囲気を味わえると思います。

EXIT JACK - YouTube

あと単純にうんざりすることを列挙すると、道端の牛糞、無法運転、排気ガス、破れたお金がババ抜きのババであること、英語が話せないインド人が多いこと(話せる人はボッタクリが多い)、トイレ、カレー、ダンボールなどです。興味がある単語+インドで調べると解説記事が出てくると思いますし、聞いてくれればお話します。

 

聞いてくる人はいなかったですが、「何を学んだのか」

臨床医学や、社会医学、地域医療の実装について、様々なことに気づき、10000字超のレポートを提出しましたが、考えようによっては、何も学んでいないのかもしれません。

「公衆衛生医師としてのキャリアに必要なもの」として、何が問題で、どうしたら改善できるか、渡航前から渡航後まで考え続けていましたが、結局、貧困と腐敗行政の現実を受け止めることで精一杯でした。経験を学びに昇華できるよう、公衆衛生について考えることをやめないでいたいと思います。

 

最後は抽象的になってしまいましたが、書きたいことが書けてスッキリしております。

お読みくださり、ありがとうございました。

 

 

 

 

。。。おまけ

 

Mobile clinic:医師、看護師、医療事務が乗って寺院等に行き、一次医療を提供する

Dosa:米粉のクレープにカレーと酸味のあるディップソースが付いている。これで60円。

"GOVERNMENT WORK IS GOD'S WORK"の文字
インドはロシア4州併合非難決議を棄権している。欧米に追随する日本と対照的に映った。

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